Steamworks ドキュメンテーション
Valve アンチチート (VAC) とゲーム禁止

概要

Steamは、オンラインビデオゲームにおける不正行為を管理するためのツールをいくつか提供しています。 不正防止用のAPIを統合するか、独自のソリューションを使用するかを問わず、そのようなシステムが存在すること、および禁止事項を明確に説明するUIがゲーム内にあることを顧客に対して適切に警告してください。

アンチチートや一般的なベストプラクティスについては、Steam Dev Daysでの講演、「マルチプレイヤーゲーム用アンチチート」の動画をご覧ください(スライド)。

https://www.youtube.com/watch?v=hI7V60r7Jco

VAC


Valveアンチチート(VAC)は、ユーザーのコンピューターにインストールされたチートを検知するようにデザインされた自動システムです。 識別可能なチートをインストールしたコンピューターからユーザーがVAC保護されたサーバーに接続すると、VACシステムがユーザーを禁止し、それ以降、そのユーザーはVAC保護されたサーバー上でそのゲームをプレイできなくなります。

注意:VACは、開発者によって報告されたチートのみを検出します。 自動または手動による調査を通じて、Valveがチートを積極的に探し出すことは実施しておりません。

詳細は、VAC統合を参照してください。

ゲーム禁止


ゲーム禁止機能は、独自の禁止追跡システムを実装することなくValveのゲーム禁止用インフラストラクチャを活用することを可能にします。 ICheatReportingService/RequestPlayerGameBanWeb APIを使用してプレイヤーを禁止すると、禁止状況がそのプレイヤーのSteamプロフィールに公開されます。

ベストプラクティス

以下はSteamworksで提供するアンチチートサービスを使用したベストプラクティスのリストです。 より広範なアンチチートのベストプラクティスについては、上記のビデオを参照してください。
  1. ゲームに専用サーバーを使用することを強く推奨します。 サーバーにゲームの状態を管理させ、必要な時にだけゲームの状態をユーザーへ通信することで、不正行為の防止に役立ちます。 例えば、必要な時のみプレイヤーの位置を送信します。 また、サーバーにプレイヤーの位置やその他ゲームの状態の管理権限を持たせて、スピードハックや神モードなどを防止することが可能です。
  2. ゲームがピアツーピア方式を使用している場合、ホストがゲームの状態を完全に制御できるようにするとチートを許可したり、制限の回避を可能にする恐れがあるため、各ユーザーが他のユーザーを検証する必要があります。
  3. 認証APIISteamGameServer::BeginAuthSessionへの呼び出しに、k_EAuthSessionResponseVACCheckTimedOutを返した場合、VACはユーザーを検証することができないか、または、ユーザーが不正行為を行っている可能性があるため、そのプレイヤーはサーバーから削除されるべきです。
  4. ユーザーが禁止または追放された場合、それらのユーザーは、ゲームをプレイできない明確な理由が記載されたメッセージをゲーム内で受け取るべきです。
  5. ゲーム禁止はチートの管理を唯一の目的に設計されるべきです。 そして、マルチプレイヤー版のコンテンツやサービスをプレイする際に、不当に有利な対戦条件を得たプレイヤーにのみ適用されるべきです。

アンチチートポリシーの編集に必要な権限

自分の製品に対するアンチチートポリシーを設定、編集できるのは誰ですか?
特定のパブリッシャーアカウントのみが、Steam上であなたの製品に対するアンチチートポリシーを有効または変更するために必要な権限を持っています。 もし、必要な権限(後述)を持っていない場合は、組織内のユーザーで、権限を付与することができるSteamworks管理者の誰か連絡してください。 Steamworks管理者一覧は、Steamworksホームページの右側に表示されます (管理者本人には表示されません)。

アンチチートポリシーを設定または変更するためには、アカウントに次の権限が必要です:

ギフト制限

アンチチートAPIアクセスを有効化させると、ゲームのギフトコピーに影響します!
VACとゲーム禁止が有効のゲームは、自分用のアカウントに購入することも、すぐにギフトすることも可能です。 無期限の禁止を受けたプレイヤーに直接ゲームをギフトすると、そのゲームを再びギフトすることはできなくなります。

よくある質問

Q: VAC禁止またはゲーム禁止はユーザーにどのような影響を与えますか?
A: ユーザーがアンチチートサービスのいずれかで禁止措置を受けた場合、以下のことが起こります:
  • そのアカウントは、禁止措置を受けたAppIDの保護サーバーに参加できなくなります。
  • 禁止措置を受けていることがそのプレイヤーのSteamコミュニティプロフィールで公開表示されます。
  • そのアカウントはVACが有効のゲームを共有できなくなります。
  • そのユーザーがファミリーライブラリシェアリングでゲームにアクセスしていた場合は、そのゲームの実際の所有者にも禁止が適用されます。

詳細な情報は顧客向けのFAQで見ることができます:Valveアンチチートシステム(VAC)VAC禁止を受けました、およびゲーム開発者による禁止(ゲーム禁止)

Q: 他のゲームでの禁止を利用して、ユーザーが自分のゲームでプレイするのをブロックすることはできますか?
A: いいえ。 VACとゲーム禁止は、ユーザーが禁止措置を受けたゲームで、VAC保護サーバーに接続してプレイすることを禁止するだけです。 無期限の禁止は、あなたのゲームでユーザーの不正行為が認められた場合に、あなたのゲームに対してのみ適用されます。