Steam Playtestは、開発者がSteamキーやユーザーレビュー、ウィッシュリストなどについてストレスを感じることなく、ゲームのプレイテストデータを収集できる無料でリスクの少ない方法を提供します。 メインゲームとは別の、関連付けられた「子」アプリIDを使用することで、メインゲームに干渉することなく必要なプレイテストを実施できます。
概要はこちら:
https://youtu.be/0_HhCEJ_kZ0また、Steam Playtestは、プレイテストへのゲートアクセスを容易にします。 プレイヤー数は必要に応じて調整でき、テストアプリを無効にするのも自由です。
仕組み
Steam Playtest appIDは、メインゲームと同様にSteamworksの技術的な機能にアクセスできますが、ストアやコミュニティの設定は限られています。 Steam Playtestのサインアップは独立したページを持たず、メインゲームの製品ページに表示されます。顧客はプレイテストへのサインアップとアクセス、ウィッシュリストへの追加やフォローを一か所から行うことができます。
こちらがSteam Playtestのサインアップの画面です:
潜在的なテスターは、興味があるSteam Playtestへのアクセスをリクエストできます。 テスターに試してもらう準備ができたら、興味を示したプレイヤー群から、必要なだけテストに追加できます。 Playtestアプリはいつでも無効にできます。今後追加予定の機能をテストするために利用可能のままにしておくこともできます。
設定方法
- 新しいPlaytestアプリをゲームの関連パッケージ & DLCページから作成します。
- Steamworksでアプリケーションの設定をします。
少なくとも、必須ライブラリカプセルアセットとコミュニティアセット(ライブラリアセットを参照)を提供する必要があります。 Playtestアプリの顧客への表示名は(ローカライズされた名前も含め)変更できます。リリース後は名前の変更はできません。
- 準備ができたら、Playtestアプリのリリースプロセスを完了します。 これにはValveによる簡単なストアページとビルドのレビューが含まれます。 注意:プレイテストには個別のストアページはありません。ベースゲームのページ内の一セクションとして表示されるだけです。 プレイテストのストアレビューチェックリストは、カプセル画像とアイコンのみで構成されています。
- メインゲームのストアページに表示することにより、Steam Playtestのサインアップが可能になります。 メインゲームの「ストアページを編集」管理ツールの「特殊設定」タブからサインアップを有効にします。 このページへの変更を公開すると、Steamストアにサインアップオプションが表示されます。
Playtestのサインアップの表示・非表示はいつでも切り替えることができます。
- Steam Playtestへのサインアップを募集している間、コンテンツを準備することができます。 他のゲームや体験版と同様に、Playtest用のデポをアップロードし、ビルドを設定します。 Steamworksの技術的な機能の統合や、Steam入力テンプレートの設定、クラウドセーブの設定などを行うことができます。 初めての方は、まずSteamへのアップロードのドキュメントをご覧ください。
または、Steam PlaytestアプリのSteamキーをリクエストし、テスターに直接配布することもできます。 詳細は以下のセクションを参照してください。
- Playtestの準備が整い、ビルドを公開したら、プレイヤーの受け入れを開始できます。 PlaytestアプリのSteamworks設定で「Playtestを管理」リンクを開きます(または「アプリケーション」タブで「Playtest設定」を見つけてください)。 準備ができたらプレイヤーのグループを追加できます。 プレイヤーは、サインアップした人の中からランダムに選ばれます。
また、利用できるサーバーが限られている場合、プレイテスト中にレイテンシーが問題とならないように、国を選択できるようになっています。
- Playtestでのデータの収集が終わったら、Steam Playtestパートナー設定ページで「プレイ不可」に設定し、プレイテストを無効にできます。 このオプションは、Steamストアでサインアップを受け付けている間は表示されません。 無効化すると、Steamはプレイテストアプリを起動しなくなります。
十分に考慮した上で実行してください! 前もって通知せずにゲーム体験を奪ってしまうと、コミュニティに不満や失望感を与える可能性があるため、事前に今後の予定を共有しておいた方がよいでしょう。 プレイテストの詳細について知らせるには、Steamイベントとお知らせを使用できます。
- 変更を加えたりサーバーのキャパシティーを増やした等の理由で、終了したプレイテストを再開したい場合は、再度表示させることができます。 すでにアクセスを付与されたプレイヤーのアクセスは保たれるため、登録のし直しやアクセス付与は不要です。
サインアップのタイプ
デフォルトは制限付きサインアップです。この設定では、潜在的なプレイテスターはアクセスをリクエストし、開発側は受け入れ態勢が整い次第、まとまった人数にアクセスを付与します。
より多くのプレイヤーの受け入れ準備ができている場合、オープンサインアップに設定することもできます。この設定では、プレイヤーがベースゲームのストアページからアクセスをリクエストすると、自動的に追加されます。
制限付きサインアップのプレイテスト(デフォルト)から変更すると、保留中のプレイテスターを受け入れるプロセスが開始されます。 これは通常、数分以内に始まります。
サインアップのタイプ、オプションもパートナーサイトのSteam Playtestページから管理されます。 サインアップのタイプは、必要に応じていつでも変更できます。
Steam PlaytestにSteamキーを使用する
Playtest用のSteamキーを配布できます。 Playtestは公開サインアップを必要とせず、ストアページがまだ公開されていない場合でも、Playtest用のキーの生成と配布が可能です。 これにより、ゲームのテスト実行計画を細かく管理できるようになります。
ほとんどの開発者は、ベースゲームのリリース状態のオーバーライドキーを使用するよりも、Playtestキーを使用する方が容易で安全だと感じるでしょう。 Playtestでは、より多くのキーをより簡単に配布できます。ベースゲームのリリース状態のオーバーライドキーは通常、2,500個に制限されていますが、Playtestキーの場合はさらに大量のキーをリクエストできます。 また、「プレイ可能」設定を使用してPlaytestへのアクセスを制御できます。 一度付与されたキーは、後でPlaytestが「プレイ不可」と設定されても無効化されないことに注意してください。
Steam PlaytestにSteamキーを使用するには、以下の手順に従ってください。
- Steam PlaytestアプリのSteamキーをリクエストします。 プレイテストでリクエストできるのは、標準リリースのSteamキーのみです。キーが有効化されると、プレイテストは「リリース済み」になったとき(つまり、プレイテストのステータスが「プレイ可能」の場合)にのみ プレイできるようになります。 Steam Playtestでは、リリース状態のオーバーライド(ベータ)Steamキーをリクエストすることはできません。
- Steam Playtestを「プレイ可能」に設定します。 Steamキーを使用してプレイテストを実行するために、SteamストアページがSteam上で公開されている必要はありません。
- プレイテストをやめたい場合は、Steam Playtestアプリを「プレイ不可」に設定できます。 一度付与されたキーは、後でPlaytestが「プレイ不可」に設定されても、自動的に無効化されないことに注意してください。
Steamキーは、開発者がプレイテストを行うためにSteamが提供する無料のサービスですが、無制限に利用できるわけではありません。 Steam Playtest用にリクエストするキーの数が50,000個以上に達した場合、そのプレイテストは実質的にオープンベータと言えるため、Steamストアページで安心してサインアップを開始できるはずです。 Valveは各リクエストを個別に審査し、Steamキーのリクエストを拒否する権利を保有しています。
何かご質問があれば、
サポートチケットを通してお問い合わせください。 また、Steamキーのルールとガイドラインについては
こちらを参照してください。
未発表のゲームの非公開プレイテスト
未発表のゲームの非公開プレイテストを実施する際は注意が必要です。 すべてが正しく設定されている場合でも、非公開プレイテストの機密性は、「最も機密性の低い」テスターと同程度にしかなりません。 さらに、インターネット上で情報が広がる速度を考えると、スクリーンショットや動画など、プレイテストで漏洩した情報は、瞬時に世界中に拡散される可能性があります。 このため、組織外でプレイテストを実施する前に、まずゲームについて公表するのが最善です。
ですが、未発表のゲームの非公開プレイテスト(「フレンド&ファミリー」アルファと呼ばれることもあります)をどうしても実行したい場合、最も安全な方法は、
未リリースのベースアプリ(プレイテストアプリではないもの)のリリースオーバーライドSteamキーを使用することです。 このプロセスについては、上記の
Steam PlaytestにSteamキーを使用するで概要を説明していますが、機密性を保持するためには次のような手順やリスクがあり、考慮が必要であることに注意してください。
- 非公開プレイテスト用にSteamキーを受け取るプレイヤーは、開発者と秘密保持契約(NDA)を結んでいないため、プレイヤーの登録およびキー配布前のNDAへの同意確認をしたい場合は、そのソリューションを開発者側で用意する必要があります。 登録が完了したら、リリース状態のオーバーライドキーを安全に配布するためのソリューションも開発者が用意する必要があります。
- プレイテスト参加者は、未リリースまたは未発表のゲームも含め、Steamクライアント上で実行されているすべてのコンテンツを自動的に公開するサードパーティー製のアプリ、またはWeb拡張機能をインストールしている可能性があります。 これらのサードパーティープログラムの中には、プレイテスト参加者に、「このゲームを認識できません。詳細を教えてください。」というような、未発表のゲームに関する情報を求めるものもあります。
- セキュリティを強化するために、プレイテスト名には特徴のないコードネームを使用し、ライブラリ用のヘッダーやアイコンなどには一時的なアートアセットを使用することを検討してください。 もちろん、ベースゲームの発表後はこれらを更新する必要があります。
- リリース状態のオーバーライドキーは、1つのアプリにつき2,500個に制限されています。 非公開プレイテストに必要なキーが2,500個を超える場合、漏洩により製品を「発表」するのと同じ状態になる可能性が高くなります。 その場合、まずベースゲームを発表し、次に通常のPlaytestアプリを使用して外部プレイテストを実施することを検討してください。これにより、最大50,000個のキーをリクエストできるようになります。
- 重要! リリース状態のオーバーライドキーは、禁止されるまでベースゲームへのアクセスを許可し続けます。そのため、キー管理をよく読み、非公開プレイテスト終了後のリリースオーバーライドキーの扱いについての計画を立てるようにしてください。
Steam上でアプリを公開:キーとは関係なく、アプリの詳細は、次のようなときに多くのプレイヤーに対してSteam上、および/またはサードパーティーのWebクローラー上で表示されるようになります:1)ストアページを公開したとき、2)プリロードが可能になったとき、3)アプリをリリースしたとき(ストアページが「非表示」になっている場合も含む)。 よって、アプリが初めてこれらの状態になる前に発表するように計画してください。
一般的な設定
Playtestはプレイ不可、サインアップの受付無し。 これは、プレイテストの公開前や、サインアップ受け入れ開始以前の、初期セットアップ時のデフォルト設定です。 また、プレイテストが完全に終了した後の最終設定でもあります。
Playtestはプレイ不可、新規のサインアップを受付中。 これは、プレイテストが利用可能になる前に、プレイヤー側のサインアップを可能にするための初期設定です。 また、プレイテストを終了した後で、将来的にプレイテストを行う予定があり、その際にプレイテスターを追加したい場合にも、この設定を使用するとよいでしょう。
Playtestはプレイ可能、新規のサインアップを受付中。 この設定は、プレイテストを実施中で、将来的にプレイ テスターを増やす予定がある場合に適しています。たとえば、サーバーの容量を増やしたり、新機能を追加したりして、将来のビルドを試してもらうプレイテスターが必要になる場合です。
Playtestはプレイ可能、新規のサインアップの受付無し。 この設定は、将来的に追加のプレイテスターを受け入れる予定はないものの、現在のプレイテスターはビルドにアクセスできるようにしたい場合に使用してください。
プレイヤーからのフィードバック収集
プレイヤーからのフィードバック収集は任意です。 開発者の多くは、ゲームのメインメニューに大きな「フィードバック」ボタンを追加し、フィードバックを収集し管理したい場所にリンクさせています。 リンク先には、Steam掲示板やDiscordチャンネル、バグ追跡ソフトウェア、専用Webサイト内の掲示板やその他の任意の場所などがあります。
求めているフィードバックの種類や、それらを共有するのに最適な場所を伝え、オーディエンスと直接関わることをお勧めします。 フィードバックやコミュニケーションに使ってもらいたいシステムへのリンクは、コミュニティのお知らせで直接提供することもできます。
よくある質問
Q:Valveがこのツールに取り組むことにした背景は何ですか? A:新しいSteam Playtest機能は、大小のスタジオから、ライブユーザーと限定的でリスクの低いプレイテストを実施する方法を求める声が繰り返し寄せられていたことから生まれました。 開発チームは、ユーザーレビューにストレスを感じたり、ウィッシュリストの数に影響を与えたりせずにプレイテストを実施できる自由を求めていました。同時に、プレイテストの開始時期や中断、また終了時期を管理することも望んでいました。 この新しいツールが、開発者とプレイヤーの距離を縮め、結果として、より良いゲーム作りに貢献できることを願っています。
同様の問題に対して、例えば、単なるオープンベータを体験版として提供したり、ゲームへの関心を盛り上げるためにゲームの「プロローグ」を無料でリリースしたり、と他にも驚くような非公式の解決策がいくつか見られました。 開発者たちは、コミュニティの構築とプレイテストのデータ収集のため、使えるツールを活用していました。 これらは解決すべき重要な課題であり、開発者がより簡単に利用でき、プレイヤーにとってより一貫性のある、サポートの行き届いた解決策を公式に提供したいと考えています。
Q:プレイテストの実施において、Steamキーでアクセスを管理したい場合はどうすればいいですか?A:Steam Playtestでも同じようにキーをリクエストできます。 テスターの人数が数人を超える場合は、この方法でベータテストを実施してください。 リリースオーバーライドのキーを使用することで、引き続き、メインゲームのAppIDからテストを実施することもできます。 詳細については、
Steam上でのテスト を参照して下さい。 Steamキーのルールとガイドラインについては
こちらを参照してください。
Q:質問やフィードバックがある場合の連絡方法は?A:問題が発生した場合や、この機能についてのフィードバックがある場合は、
こちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。
Q:Steam Playtestはいつ使用できますか?A:この機能を使用するのに最適で最も一般的な時期は、ゲームをリリースする前です。 最優先事項はおそらく、ゲームの近日登場ページを立ち上げ、ウィッシュリストを集めてコミュニティの構築を開始することでしょう。 それが完了すれば、Steam Playtestはリリース前にライブプレイヤーのフィードバックを収集するオプションを提供します。
必要に応じてPlaytest appIDを新規ツールや新機能のテストの場として使用し続けることができますが、Steam Playtestは顧客にとって無料であることは覚えておいてください。 リリース後もプレイテストを継続することに意味があるのは、おそらく無料プレイのゲームだけです。
Q:Steamは限定プレイテストに参加するプレイテスターをどのように選ぶのですか?A:Steamは、アクセスをリクエストしたSteamアカウントの中からプレイテスターをランダムに選びます。 受け入れるプレイヤーの国を選択できますが、これは主にサーバーの利用状況が限られていて遅延の問題に対処する場合に有効です。
Q:プレイテストへのアクセスが許可された場合、プレイヤーにはどのように通知されますか?A:プレイヤーは、プレイテストに追加されると、Steamからメールを受け取ります。 また、ベースゲームのストアページにもステータスが表示されます。
Q:Playtestがプレイ可能になると、プレイヤーには通知されますか?A:Playtestのビルドがプレイ可能またはプレイ不可に設定されても、Steamがメールで通知することはありません。 Playtestをプレイ可能にする際には、
Steamのお知らせとイベントを使用してプレイヤーに告知することをおすすめします。
Q:Steam Playtestを終了する方法は?A:パートナーサイトのSteam Playtestページから、プレイテストを「プレイ不可」に設定できます。 必ず先にストアページのサインアップを無効にしてください。
Q:Steam Playtestは機密扱いですか?A:いいえ。Playtestにサインアップしたプレイヤーとの間に秘密保持契約は存在しないため、秘密保持を期待するべきではありません。 機密扱いのベータでプレイヤーに秘密保持契約(NDA)への同意を求める場合は、他に方法があります。
- Playtest App IDを使用し、キーをリクエストし、Playtestをプレイ可能にしてストア表示を非表示に設定する。
- メインゲームのApp IDを使用して、リリースオーバーライドキーを使用する。
上記のいずれの場合も、開発側でプレイヤーのサインアップと登録ソリューションを用意する必要があります。
Q:Steam Playtestにストアページはありますか? ストアで見つけることができますか?A:Playtestは個別のストアページを持たず、代わりにメインゲームのストアページで利用可能なオプションとして表示されます。 これにより、検索やストアでのおすすめ表示などすべてが一貫して製品ページへたどり着くことになり、ユーザーはフォローやウィッシュリストへの追加ができます。
Q:Playtestへのアクセスに対して課金できますか?A:いいえ。Steam Playtestは無料でサインアップするように設計されています。 また、Playtestはいつでも無効化できるため、ゲーム内トランザクションでの収益化やアクセス権の販売は許可していません。 開発中のバージョンを販売する準備ができている場合は、Steam
早期アクセスをご利用ください。
Q:オンライン/マルチプレイヤーのプレイテスト用にプレイヤーを調整する方法は?A:一部のマルチプレイヤーゲームで、サーバーを時間枠限定で利用可能にすることを希望する場合、Steam Playtestをそのように使用しても構いません。 アップデートの予定やプレイテストの調整について、
イベントとお知らせ用ツールを使用して告知することをお勧めします。
Q:Steam Playtestを実施すると、実際のゲームに影響しますか?A:Steam Playtestにはメインゲームとは異なるappIDが割り当てられます。 そのため、プレイ時間、ウィッシュリスト、レビュー、返金なども別々になっています。 以下はその例です。
- あなたのゲームをウィッシュリストに追加している顧客がプレイテストに参加したり、参加するのを止めたりしても、ウィッシュリストへの影響はありません。
- プレイテストに参加しただけの顧客は、実際のゲームのレビューはできません。
- Playtestでの顧客のプレイ時間は、Steamの返金ポリシーや、プレイヤーが実際に購入したゲームに対して返金を受ける際に影響しません。
- Playtestでの顧客のプレイ時間は、トレーディングカードの獲得や実績のアンロックには影響しません。